那智勝浦ビンチョウマグロ延縄FIP

概要:
那智勝浦ビンチョウマグロ延縄FIPは第78海王丸(大分船籍)、株式会社ヤマサ脇口水産、オーシャン・アウトカムズ(O2)によって2017年10月に発足されました。本プロジェクトの拠点となる和歌山県那智勝浦港は生鮮鮪水揚日本一を誇る古来から鮪で栄えた貴重な水揚港です。那智勝浦町の地域経済そして地域文化にとって鮪は非常に重要な存在であり、延縄漁業者にとっても鮪資源は生命線なのです。株式会社ヤマサ脇口水産は鮪の買付加工会社であり、延縄漁業から年間およそ590mtのビンチョウマグロを調達し国内外へと販売展開しています。2012年には2隻の延縄漁業者によりビンチョウ、メバチ、キハダおよびクロマグロを対象としたMSC予備審査が実施されました。このうちビンチョウおよびキハダ延縄漁業においては、いくつかの重要な課題解決が実施されれば認証可能な状況にあると報告されました。課題としては、マグロ種に関する漁獲管理規制の採用や、サメやカジキ、海鳥やウミガメなどの非漁獲対象種に関する情報収集を目的とした船上オブザーバーによる漁船数の拡大、必要に応じた非対象種に対する漁獲軽減対策の実施などがあります。
現在の活動:
- 第78海王丸、株式会社ヤマサ脇口水産、オーシャン・アウトカムズが覚書を調停。
- 2012年に実施されたMSC予備審査結果の確認と再審査を実施。再審査結果を元に優先する課題などを特定しFIPを通じて改善に図る。
- 同意された活動計画の実施(例:非漁獲対象種に関する情報をより確実にモニタリングし追跡するための計画を策定、MSCのトレーサビリティーおよび加工・流通過程の管理規準に沿った漁獲時点から最終販売時点までを追跡するトレーサビリティの試験的な実施、予防管理の枠組みを実行計画の策定、及び海鳥やウミガメと遭遇した場合の対処記録のモニタリングなど)
- 半年毎に関係者会議を開催し、改善計画の実施状況の確認や調整、そしてその報告(公開)。同時に漁業改善に必要な資金調達を模索する。
プロジェクト情報:
FIP 状況: | 包括的 FIP (FisheryProgress.org で完全追跡しています) |
開始時期: | 2017年10月 |
場所: | 和歌山県那智勝浦町 |
参加者: | 海王丸、株式会社ヤマサ脇口水産、オーシャン・アウトカムズ |
対象種: | ビンチョウマグロ (Thunnus alalunga) |
漁具の種類: | 延縄 |
生産量: | 150 mt - 第78海王丸の北太平洋ビンチョウマグロ年間漁獲量は約150mt。中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)のマグロ漁業年鑑によると、227隻の日本のはえ縄漁船が2015年に12,142 mtのビンチョウマグロを漁獲した。 |
文書: | 予備審査 / 活動計画 |
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