新たな組織が世界の漁業の持続可能性を改善する

ポートランド、オレゴン ―漁業改善のグローバル組織であるオーシャン・アウトカムズは、ルイジアナ州ニューオーリンズで今週開催されたシーフードサミットで正式に発足を表明しました。ワイルドサーモンセンターが構想を温め発足したオーシャン・アウトカムズ(O2)は、リスクの高い商業漁業と手を携え活動する国際的な漁業の専門家集団で、持続可能な水産物の供給増加を目指します。

「持続可能な水産物に対する需要はこれまでになく高まっていますが、調達の選択肢には限界があり、世界のほとんどの商業漁業はリスクにさらされています。」とオーシャン・アウトカムズ事務局長のリッチ・リンカーン氏は語ります。「多くの漁業者は採算ぎりぎりのところで操業しているので、漁業のやり方を改善すれば得るものは多いと思います。私たちにはそのお手伝いができます。オーシャン・アウトカムズは漁業者とともに現場の前面に立ち、持続可能性を高める目標を設定し、実現に向けたサポートを行います。」

「オーシャン・アウトカムズの発足を誇りに思います。」と語るのは、ワイルドサーモンセンター(WSC)代表兼CEOのギド・ラール氏です。「野生魚の未来の大部分は保全に対する意識の高い商業漁業者や地域社会にかかっています。サケ漁業に関しては、保全に関する合意を作り上げながら持続可能な水産物の新たな市場を開拓する取り組みは、特にアジアやロシアにおいて、画期的な成功を収めています。この活動を通じて私たちが開発し成功した野生サケの漁業改善モデルを活用し、他の野生魚種に展開することも可能です。」

最大の改善効果が期待できる漁業

リスクの高い漁業は、密漁や違法漁業、生息地の破壊、孵化場生産および混獲など様々な課題に直面しています。このような漁業では、資源量の回復および漁業の価値向上両面で改善による大きな効果が見込めます。すべては漁業者が改善へのロードマップを共有し受け入れるところから始まります。

「漁業者が改善プロセスに参加しなければ、それは持続可能な漁業とは言えません。」とオーシャン・アウトカムズの設立者でプログラム・ディレクターのブライアン・カウエット氏は述べています。

オーシャン・アウトカムズの最初の活動地域については、大きな改善が見込める世界的にも重要な漁業が存在するロシアおよび日本に注力していきます。

「両地域とも、現地の文化や政治に詳しくなければとても厳しい環境です。」とカウエット氏は語ります。「どのように現地の賛同を得るかが重要な第一歩になります。」カウエット氏は今週開かれるシーフードサミットにおいてパネルディスカッションを開き、その中でこのような問題を取り上げます。参加者は極東地域が世界の漁業の未来をいかに決定づけるか、現地の漁業がより持続可能になるためにどのような活動を行っているかを議論します。

「日本の漁業には長い歴史があり、日本人の文化の1部になっているため、日本人の考え方や日本の漁業を理解できる方々と活動することがとても重要なのです。」と語るのは、世界最大のシロサケ漁業を管理する北海道漁業協同組合連合会営業第二部部長代理の福田和人氏です。「O2のチームはこの点を理解してくださっています。私たちがより持続可能な漁業を目指して懸命に努力する中で、対立するのではなく、パートナーとして一緒に取り組んでいただいています。」

商業漁業者と手を携えて

オーシャン・アウトカムズは、漁業改善を成功させるには現地の支援が不可欠で、地域社会および関係する商業漁業にとって目に見える利益が伴わなければならないという考え方を基に設立されています。O2のリーダーやスタッフたちは、持続可能性に関わる認証取得や漁業改善を目指して、日本やロシアおよび北米の漁業関係者と長い間仕事をしてきました。例えばロシアでは密漁抑制のため革新的な監視プログラムの策定を支援し、日本においては漁業コミュニティーと共同で資源評価を実施し、サケの遡上を回復させるため古いダムを撤去しました。

「私たちはO2のチームと6年以上も一緒に活動しています。」と語るのは、ロシアのサハリンに本拠を置く漁業会社Taranai LLCのドミトリ・マトベーエフ氏です。「O2メンバーは私たちのあらゆる事業や、ロシアで直面している様々な障害の全体的な本質を理解しています。問題の分析および対処、情報の展開のサポートをしていただいています。」

サプライチェーンにおけるつながりの構築

オーシャン・アウトカムズは、持続可能性に関心のあるバイヤーや利害関係書と改善に取り組む漁業を引き合わせつなげています。

ハイライナー・フーズの持続可能性担当取締役ビル・ディメント氏は、「国際的な水産物会社として、私たちは世界の漁業の健全性に大いに関心があります。」と述べています。「実践的な現場での改善を行うために、現地の水産物サプライヤーや漁業者とともに活動するうえでの戦略作りのサポートをO2から頂いています。」

このようなつながりの中核を担うのが、サーモンFIPパートナーシップです。これはゴートンズ・フーズ、ハイライナー・フーズ、フィッシン・カンパニー、ネスレピュリナおよびアルビオンなどの大手水産物会社を巻き込んだO2主導の協働の取り組みです。カムチャッカ半島では、このパートナーシップによって持続可能な改善中の野生魚漁業の供給量が地域の生産量の半分にまで増加しています。他にもO2は対話の場として、昨年11月に第1回 “Let’s Talk Fish” を開催しました。年一回開催のこのイベントを通じて、複雑なサプライチェーンのすべてのピースをつなげ、バイヤーの漁業生産地域への関心を高めていきます。

「多くの漁業者は、いったん埠頭を離れた魚がどこへ行くのか分かっていません。」とロシアで20年以上の活動経験があるO2のジュリー・クチェパトフ氏。「私たちは現在サプライチェーンのつながりの構築に取り組んでいますが、これを通じて漁業者が持続可能な水産物商品の需要が高まっていることを理解し、難しい環境保全問題に取り組むことによる恩恵を受けることができればと思います。」


シーフード・サミット・パネル:

極東地域において高まる市場および生産の可能性

2015年2月10日(火

ニューオーリンズ・ハイアットホテルBolden2号室